いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。淡路島で革のモノ作りをしているMarubayashiです。

    今回のブログの記事は、革の仕事で使用している「皮漉機」についてです。
    皮漉機については、書きたいことがたくさんあるのですが、今回はメンテナンスの「油の注油場所」について書きたいと思います。

    ※主に作り手さん向けの専門的な内容になりますので、興味のない方はスルーしてくださいね。

    ここまで読まれた方で、気になった方がいらっしゃるかもしれません。
    皮漉機の「皮」は「革」じゃないの?
    革を加工する機械なので、革漉機のイメージが強いですが、製造元のニッピさんの取扱説明書には「皮漉機」とありますので、このブログでは皮漉機で統一したいと思います。

    普段の文章では、革漉機や革漉き機でまったく問題ないなく通じますね。むしろ革のほうがしっくりきます。

    皮漉機の現状

    皮漉機 給油場所
    皮漉機はミシンと同じようにとても高価な機械です。そのためミシン屋さんなどでメンテナンス済みの中古品を購入される方が多いです。

    私もそのうちのひとりで、ミシン屋さんで程度の良い中古品を購入しました。
    皮漉機に何かトラブルがあった時に、安心して対応してもらえます。

    価格を重視してオークションなどで購入すると自己責任の部分が大きく、ミシン屋さんも取り引きしてくれなかったり、取扱説明書もない場合もあります。

    そういったケースが多いからかもしれません。皮漉機の講習を何度か受けましたが、給油場所の質問は毎回出てきいました。

    どこに注油すればいいのかインターネットで検索してみると、たくさん情報が出てきそうですが、意外と少ないのに驚きます。

    皮漉機の講習を実施しているところは少ないですし、テキストとなるような本も本当に少ないです。

    情報を探しておられる方のためにも、説明しているブログがあればと思うので、ここで分かりやすく説明していきたいと思います。

    油の種類

    皮漉機に使用する油は、ミシン油とグリスの2種類あります。
    皮漉機 ミシン油皮漉機 ミシン油
    ミシン油
    機械や装置に使用される油のことで、粘度が低めでサラサラしたものです。
    左の写真ような液状のものと、細いノズルがついた右の写真ようなスプレータイプがあります。
    私は差しやすい右側のSFオイルスプレーを使用しています。


    「SFオイルスプレー」は、下記のサイトでも購入できますので参考にしてみてください。



    皮漉機 ミシン油
    ここで少し注意点です。油といえば潤滑油で有名な「クレ 5-56」をイメージされる方も多いと思います。
    ですが、5-56は粘度が非常に低く、すぐに乾いてしまいます。

    さらに、今までそこに付いていた油も洗浄してしまうので、皮漉機には不向きですので注意してください。


    グリス
    皮漉機 グリス
    グリスは粘度が高く、粘土のように塊の状態になったものです。
    私は以前車用に使用していたモリブデングリスを使いましたが、一般的なリチウムグリスで問題ありません。

     

    油の注油場所

    さて、ここから本題の「油の注油場所」について、製造元であるニッピさんの取扱説明書をもとに写真付きで説明していきます。
     
    皮漉機 注油場所
    まず注油箇所ですが、ミシン油は6箇所、グリスは1箇所あります。
    赤色のマークがミシン油、青色がグリスの注油場所です。
    ひとつずつ拡大して見てみましょう。

     

    ミシン油の注油箇所

    皮漉機 送り支え枠
     送り支え枠
     可動部分の注油口に油を差します。
     
     
    皮漉機 作動板
    作動板 作動板の穴の下にある送りロール軸に油を差します。
    丸刃に近い場所ですので、刃に触れないように注意してください。
     
     
    2-作動板 ウォームつまみ
    ウォームつまみ つまみ上部の注油口に油を差します。 

    オイル穴カバー カバーを手で引っかけるようにして開けて、中にある注油口に油を差します。


    皮漉機 グラインダーつまみ
    グラインダー切替つまみ つまみ上部の注油口に油を差します。
    ※このつまみは、刃を研磨しない時にグラインダーを停止させておく機構がついた型式のみに付いています。



    プーリー
     ベルトカバーを止めているネジが右側面に付いていますので、ネジを反時計回りに緩めるとプーリーカバーが開きます。
    カバーの中にあるプーリー注油口に油を差します。
    ※1 プーリーカバーは金属製で重たいので取り外しには注意してください。
    ※2 必ず電源がOFFになっているのを確認、クラッチブレーキの場合はペダルを踏んで完全にモーターの回転がOFFになっているのを確認してから作業をしてください。


    皮漉機 押さえハンドル
    押さえハンドル

    取扱説明書にはないのですが、使用する度に動かす部分ですので、ここにも油を差しておきます。
    ただし、差しすぎてしまうと下まで油が垂れてしまうので注意しましょう。

     

    グリスの注油箇所

    グリス穴カバー
     カバーを手で開けて、中のグリスが減っていればグリスを入れます。
    カバーが開きにくい場合は、カバーの右側をプラスチックハンマーなどの傷が付きにくいもので軽く叩くと開きます。
    カバーを開閉した後は周りにグリスが付着してしまいますので、ウエスなどできれいに拭き取ってから作業をしましょう。

    油の注油頻度ミシン油は1〜2日に1回、グリスは1ヶ月に1回が推奨されています。
    革を漉く量によっても変わってきますが、基本的に作業する前に注油するのが望ましいです。

    皮漉機の書籍


    皮漉機の数少ない参考書「工業用ミシンと漉き機の基本操作とメンテナンス」。
    基本的な操作やメンテナンスが掲載されています。取扱説明書がない方はあると便利だと思います。


    皮漉き機の書籍は、下記のサイトでも購入できますので参考にしてみてください。


     

    私の持っている皮漉機の資料は、この参考書とニッピさんの取扱説明書、そして「サンプル師が教えるバッグ教室」で受講した漉き機講座Part1〜3のテキストのみです。
    皮漉機自体がマニアックな機械ですので、数が少ないのは仕方ないですね。

    まとめ

    皮漉機はシンプルな構造で作られており、正しい使い方とメンテナンスで、何十年も使用できる機械です。コンディション良く長期的に使用するためにも、ミシン油とグリスを定期的に注油しましょう。

    そうすることで製作する時間の短縮にもなりますし、安定したコンディションは作品の仕上がりにも影響します。きれいに作品が仕上がると作り手の方は嬉しくなります。そして、その作品を使用される方も嬉しくなります。

    単純に「機械のメンテナンスをする」だけではなく、たくさんの方が幸せになることに繋がっているのかなと思います。皮漉機自体もきっと喜んでいるでしょうね。


    ■関連記事
    「皮漉機の厚さ調整ダイヤルゲージを作りました」
    https://marubayashi-leather.com/archives/3385


    最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
    SNSやショップなどは下記のリンクからご覧いただけます。


      関連記事

      1. この記事へのコメントはありません。

      1. この記事へのトラックバックはありません。

      カテゴリー

      Amazon.co.jpアソシエイト